ソフト導入の判断は、たいてい間違った方法で行われます。機能一覧と月額を比べるという方法です。機能はお金を生みませんし、月額は本当のコストでもありません。
以下のフレームワークは、三ヶ月ではなく一時間で結論を出すためのものです。必要な数字は五つ。もし一つでも見積もれないなら、それ自体が重要な情報です。自社の業務をまだ十分に把握できていないという意味だからです。
定価ではなく総所有コスト
価格ページの数字が総額であることはまずありません。12ヶ月分で次をすべて足します。月額またはライセンス費、導入とデータ移行、研修に消えるチームの時間、既存システムとの連携作業、追加機材。
そして全員が忘れる項目を加えます。新システムが既存とつながらない場合の、人が手作業でデータを写すコストです。一日二時間なら、それは実在し、永続的に発生します。
実際に減る工数
ベンダーの主張は使わず、粗くていいので自分で測ります。日次の突合、棚卸し、繰り返しの問い合わせ対応、レポート作成、入金督促に今どれだけ時間を使っているかを記録してください。
削減工数に、その作業をする人の時間単価を掛けます。ただし重要な条件があります。浮いた時間は、売上を生む仕事に振り替えるか、増員を回避して初めてお金になります。そうでなければ単なる快適さです。
止まる漏れ
最も過小評価され、しばしば最大になる項目です。漏れとは、すでに自社のものなのに途中で消えるお金です。在庫差異、気づかれず期限切れになる商品、入力ミスの価格、権限のない値引、督促されない売掛、出荷されなかった注文。
経験則: 新システムがこの漏れの半分でも止められれば、その金額だけで年間費用を賄えることがほとんどです。POSや在庫システムの回収が予想よりずっと早いのはこのためです。
生まれる追加売上
良いシステムは節約するだけでなく、これまで逃していた売上を表に出します。典型的な三つの源は、返信できずに失った注文、一度も追客していない既存顧客、そしてようやく見えるようになった商品データからの追加販売です。
見積もりは保守的に。月あたりの未対応問い合わせ件数に通常の成約率を掛け、平均粗利を掛けます。その半分を安全側の数字として使ってください。
何もしない場合のコスト
この五つ目はほとんど計算されず、しばしば決め手になります。待つことは無料ではありません。漏れがさらに12ヶ月続き、チームは手作業の残業を続け、いざ必要になったときに履歴データがありません。
履歴データは後から買えないので重要です。今日から記録を始めた事業は来年に前年比を持ちますが、先送りした事業はまたゼロから始めます。
五つの数字を判断に変える
2・3・4を足して月次の効果を出し、1をそれで割れば投資回収月数になります。
| 回収期間 | 意味 | とるべき行動 |
|---|---|---|
| 6ヶ月未満 | 漏れが実際に大きかった | 導入し、素早く展開する |
| 6〜12ヶ月 | 核となるシステムとして健全 | 導入し、導入費用を交渉する |
| 12〜24ヶ月 | 定着の規律次第 | 社内責任者を置ける場合のみ導入 |
| 24ヶ月超 | 高すぎるか時期尚早 | 見送るか、小さい版を選ぶ |
最もよくある罠: 準備の整っていないチームに大きなシステムを買うこと。紙の上のROIは美しくても、継続して使われなければ月次効果はゼロ、回収期間は無限大です。